先日、東京都はウーバーイーツを初めとする「飲食宅配代行サービス」のバッグに個別に識別ナンバーをつけることを要請したそうだ。
目的は事故防止や危険運転を抑制する為、また被害を受けた方が通報できるようにする為ということですが、配達員の立場からすると
「うーん」
と思わざるを得ないではないでしょうか。
今回は「配達員のナンバー表示」について、考察していきます♪
個別ナンバーは非現実的
このような政策は非現実的でしょう。
注文者とお店=アプリ上で配達員を特定できる
のでナンバーは要りませんよね。
このナンバーを必要としているのは
・注文者ではなく、車道の車や歩道の歩行者などの不特定多数の人間
・バイク配達員ではなく自転車配達員への要請
バイクにはそもそも車両ナンバーが付いていますからね。
企業(Uber eats)にとって、それらの人(直接利益をもたらさない人)に向けてそこまでの政策をするのか…というのも疑問が湧きます。
・おそらく「Uber eats」に関しては思ったような効果が得られない
今回は「Uber eats」に特定して考察していきます。
そう考えた時にいろいろな疑問や問題が浮かんできます。
・配達バッグが自由であること
出前館やウォルト、フードパンダなどは特徴的なバッグや帽子の着用が原則とされていますよね。
現在、Uber eatsの配達時のバッグや服装は規定を満たしていれば自由です。
よく見かけるのが、
・「Uber eats」のロゴを隠している人
・小さい保冷バッグ(ウバッグの形ではないもの)
・リュックではなく手持ちタイプのバッグを自転車の籠に入れて配達している人
しかも自己負担なのでそのバッグは私物であり、デコレーションなども自由となっています。
もしこの政策が実行されるとして、どこかに集まってUber社の人間がナンバーを貼り付けるということはコロナ禍の今は特にできないでしょう。
必然的に自分で貼ることになりますが、どこに貼ったとかの確認をする手段がないので、デコレーションなどでカモフラージュもできてしまいます。
・交通ルール、マナーが良くなるかは正直厳しい
無いよりあった方が意識は高まるでしょうが、ルール、マナー違反が減る数は微々たるものでしょう。
車にもナンバーが付いていますが、交通違反する人はしますし不本意な事故も起こす可能性があります。
クエストやブーストの時間が迫っていれば、急ぐあまり信号無視や危険運転などをすることは予想がつきますね。
「守る人は今まで通り守る、守らない人は人は今後も守らない」これはナンバーがついても変わらないでしょう。
・いたずら通報が予想される
交通マナーの悪さがよくニュースに挙げられることから、悲しいかな世間からの印象は良くはありません。
利用していない人にまでこんな印象を与えてしまうのは正直申し訳ないところですが、悪いイメージはそう簡単に覆りません。
そうでなくても、たまたま目に入ったナンバーをお遊びや鬱憤晴らしで通報する人も出てくるでしょう。
また、写真に取られてネットに晒される可能性もあります。
・プライバシー問題(特定されすぎる)
例えば車のナンバーは、個人のナンバーではなく車本体のナンバーです。
社用車などの場合、持ち主とは違う人間が運転していることも考えられます。
Uber eatsは個人事業主なので、「社用車」や「会社支給品」というような概念がありません。
つまり、バッグの持ち主とそれを背負っている人が一致することになります。
何らかの情報網から注文者やお店に公開している個人情報と結びつけられてしまえば名前と顔と共に特定されてしまいます。
ただでさえ顔と名前が知らない人にバレているのに(まぁ慣れたけど)、悪いことはしてないにしろ良い気持ちはしませんしね。
さらに、専業ではなく会社に内緒で副業として働いている人にとってはより働きづらくなってきます。
・証明が難しい→通報先は結局警察
交通事故であれば警察が出動し、減点などのペナルティがありますね。
ではもし、自転車配達員と歩行者や車が街中でトラブルが起きた際、誰がどのように仲介、証明してくれるのでしょうか。
通報されるのは事故が起きた後です。
よほど口論になったり怪我をさせていない限り配達員はその場から離れているはずです。
その場に留まっているのならナンバーの必要はありませんよね。
このナンバーが効力を発するのは、
自転車配達員に事故を起こされたけど配達員が逃げてしまったという歩行者
です。
冒頭でも述べましたが、バイク配達員には車両ナンバーがあります。
後からナンバーで個人を特定したたとして、お互いの意見が食い違っていた場合その事実をどのように証明するのかが疑問です。
・悪用できるかも?
路上や自転車に置かれたウバッグの盗難事件が起きています。
フリマサイトで転売したりする人は未だに絶えません。
もしナンバー付きのバッグを売られた場合、個人情報と一緒に売られることになります。
また、替え玉などもできてしまいますね(やろうと思えば今でもできるか…)
「これならアリ」その政策に対する本音
上記の点を踏まえて、配達員にプラスになることがあまりにも少ないということで正直制度を導入してほしくないのが本音。
でも、配達員にプラスになることも含めた政策なら「アリ」と思えるかも…?
・全員にナンバー付きバッグを支給するならアリ
バッグを一律にしてナンバー付きの状態で全員に支給して欲しい。
現在はバッグは個人負担で「保冷保温機能付き」であれば何でもOKとされています。
そうではなくて完全支給か以前みたいにデポジット制にしてくれるならアリかな…。
・名前表示を番号にするならアリ
名前の部分もナンバー表示にしてくれるのならちょっと考えても良い。
問題となっているのが「顔写真と名前」の表示。
これら注文者とお店の画面上に表示されますが、これとは別にナンバーとなるとより個人を特定しやすくなりさらにプライバシーが漏れていきます。
顔写真は、注文者に安心してもらう為や替え玉行為の防止として必要というのは仕方ないかもしれませんが、本名が出てしまうのはやはり不安です。
・絶対取れない、本人しか使えないのならアリ
・どうしても取れないようにして欲しい。
・本人以外使えないようなシステムを作って欲しい。
ナンバーだけ盗難される可能性もあります。
縫い付けるのではなくプリントしてほしい。
そして、どうにかして本人しか使えないように対策してくれるのならアリ。
・通報者も個人情報を提示するのならアリ
いたずら通報への対策として、
・通報者が個人情報をUberに告知しなければならないという決まりを設けて欲しい。
・配達員と通報者の個人情報がお互いに絶対に分からないようにして欲しい。
匿名で通報できるのなら、分かりやすく言えば「言ったもん勝ち、言い放題」される可能性が出てきます。
本当に困った人だけが通報できるよう、通報する人からも情報開示の規則を設けて欲しい。
通報するというのは何かしらその配達員に向けてアクションを起こして欲しい時か、慰謝料や治療費を請求したい場合だと考えられます。
Uberユーザーではないで外部からの通報ということならできれば有料にしてほしい。
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フードデリバリーの仕事は今後も需要拡大していくと考えられます。
お互いが気持ちよく過ごせるようになりますように…
他にもUber eatsに関しての記事を書いています♪
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