FNNプライムオンライン<“硫酸”をかけ逃走した男の画像公開 被害男性は「目が見えない」…全治半年の重傷>
2021年8月24日。東京メトロ「白金高輪駅」で男性会社員が硫酸とみられる液体をかけられたという事件が起こりました。
硫酸などの劇物としての酸をかける行為は「アシッドアタック」と呼ばれ、主に中東や南アジアなどで
問題になっています。
「参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/アシッドアタック」
いわばテロ行為とも思われるこの行為、残念ながらまだ犯人は捕まっていません。
追記:8月28日、事件発生から4日目で指名手配されていた容疑者が逮捕されました。日本の警察、すごい。
今回は
調べてみました。
硫酸には「希硫酸」と「濃硫酸」がある
硫酸には2種類あり、
硫酸の濃度が低いのが希硫酸、硫酸の濃度が濃いのが濃硫酸とされます。
希硫酸=酸化力や脱水作用はない
のに対し、
濃硫酸=強力な酸化力や脱水作用を持っている
のでとても危険(希硫酸も危険です)
硫酸がかかるとどうなる?
参考文献
「新興出版社啓林間」https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/j-scie/jikken/pdf/1_004.pdf
「Megical Note」https://medicalnote.jp/diseases/化学熱傷
「Wikipedia」https://ja.wikipedia.org/wiki/硫酸
皮膚が溶けて褐色になる
硫酸の酸化作用や脱水作用が皮膚を侵食し溶かしていきます。
硫酸に水を加えると水の温度が一気に上昇して沸騰するそう。
60%が水分の人間にかかってしまったら…と考えると恐ろしいです。
目に入ると失明の可能性がある
角膜の壊死や欠損を起こす=よって失明する可能性があります。
粘膜につくと火傷やただれを起こす
誤って飲み込むと粘膜がただれたり嚥下困難などの症状が生じます。
天然素材の布は炭化する
- 綿
- ウール
- 麻
などの天然素材の服の上からかかった場合、炭化して黒くなったり穴があいたりします。
金属は溶ける、ガラス・プラスチック・木・ゴムは溶けない
金属はイオンになるため溶けてしまいますが、プラスチックはイオンにならないため溶けないそうです。
いわゆる実験を行う時に着る服装なら溶けないということになりますね。
今回の犯人もゴム手袋をつけていましたね。
放置しても蒸発しない
硫酸は不揮発性なので、放置しても蒸発しません。
ということは、かかってしまった場合取り除かなければその場所にずっと留まり続けるということになります。
硫酸が皮膚にかかった時の対処法
では、誤って硫酸が皮膚や服にかかってしまった時はどうすればいいのでしょうか。
①「乾いた」布や紙で拭う
硫酸は水に反応して発熱する性質があるので、まず乾いた布や紙で拭います。
②多量の水をひたすらかけ続ける
え?水と反応して沸騰するんじゃないの?
沸騰するのは中途半端な量の水の場合で、多量の水をかけ続けることで突沸を防げるそう。
多量ってどのくらい?
硫酸がかかった範囲にもよりますが、ごく狭い範囲ならペットボトルの水をかけながら水道に向かい、さらにかけ続けるといった具合。
広範囲にかかってしまった時はペットボトルでは到底足りないということになります。
ひたすらってどれくらい?
6〜12時間継続することが良いそうです。
③重曹水で洗う
硫酸=酸性なのでアルカリ性である重曹を水に溶かして洗うという方法です。
しかし今回の事件のように、実験ではない環境では重曹水を作るよりもとにかく水道水で流し続け、救急車を待つのが有効です。
中和剤は使わない
中和反応により熱の発生が起きてしまいます。
街で硫酸をかけられるのを防ぐには?
考えたくもないですが、明日は我が身かもしれません。
すぐに取り入れられる予防策も含めてご紹介していきます。
人間関係をもつれさせない
海外でのアシッドアタックは、無差別犯行というよりは計画的に行われることが多いです。
例えば
- 男女関係、人間関係のもつれ
- あらゆる差別(人種、マイノリティ、宗教など)
- 財産の争い
恨みを持たれるような行動は避けましょう。
(※今回の被害者が恨みを持たれていたということではありません)
好んで恨みを持たれる人はいないと思うけどね
※追記:今回の事件も被害者と犯人は大学時代に面識があったそう。人間関係のもつれがあったのかもしれません。
ながらスマホ・イヤホンをしない
スマホを見ながら歩いたり、人の気配に気づけないほど大音量で音楽を聴きながら歩くのは、怪しい動きをしている人に気づけないので注意が必要です。
怪しい動きがバレていると分かればそれが抑止力になるかも。
人との距離を空ける、駅はすぐ出る
今回の事件は、駅から出る時・背後から狙われました。
今はパンデミックの影響でソーシャルディスタンスを意識することが増えましたが、駅の中ではどうしても密になりがちです。
駅中で混んでいる時のエスカレーターは基本一段ずつで並びますが、右隣は歩く人用に空けられている場合が多いですよね。
正直エスカレーターを歩くのは危ないのですが、できるだけ速やかに出られるようにしましょう。
表の道を歩く
とくに夜道は事件が起きやすいし、事件が起きても発見されるのが遅くなります。
帰りが遅くなるようなら、多少お金がかかってもタクシーを利用するのが安全ですね。
顔にはプラスチックのメガネ、化学繊維のマスクをつける
体は服を着ていても顔は無防備ですよね。
硫酸はプラスチック(ナイロン・ポリエステル・アクリルなど)は溶かさないという性質があります。
本当は花粉防止のゴーグルのような形が望ましいですが、ファッション的にも時期的にも不自然な場合もあるので、プラスチック製の伊達メガネや化学繊維のマスクを身につけるだけでも「顔」への被害は防げるでしょう。
2021年8月27日現在ではまだ犯人は捕まっていません。
早く捕まって少しでも平穏な日々が戻ることを願います。
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