最近飼い猫がトイレに行く回数が増えた気が…?
トイレからなかなか出てこないんだけどお腹でも痛いのかな…
飼い猫のトイレで異変に気づいたことはありませんか?もしかしてそれ、下部尿路疾患を患っているかもしれません。
下部尿路疾患とはおしっこの病気のことで、腎臓や尿路に問題があり進行すると命に関わる病気に侵攻する可能性が高いです。
こんな症状が見られたらかなり進行している可能性があります。
今すぐ病院へ!!
下部尿路疾患とは?
- 尿路結石
- 血尿
- 尿道閉塞
などの尿路に関する疾患の総称。いわゆるおしっこトラブルのことです。
なりやすい猫の特徴
- オス猫である
- 去勢手術を受けている
- 冬場などであまり水分を摂っていない
- 運動不足
- ストレス
- トイレを我慢しがち
体の構造上、オス猫の尿道は細長くてカーブしている部分があり、メス猫よりも詰まりやすい傾向にあります。
また、去勢後はホルモンが出なくなることにより太りやすくなったり食欲が増したりするため、より気をつける必要があります。
特に冬場は、あたたかい場所から離れるのが嫌でトイレを我慢したり、水分をあまり摂らなかったりする猫もいます。
そうすると水分の循環が悪くなり、おしっこの成分も濃くなるのでおしっこトラブルを発症しやすくなってしまいます。
おしっこを観察してみよう
キラキラしていませんか?
猫砂のおしっこボールをすくって光に当ててみましょう。
キラキラと光る結晶が見えたらそれは小さな結石が出ているということになります。猫の尿道は非常に細いので小さく見えても詰まりの原因になったり、尿道を傷つけたりします。
血が混ざっていませんか?
血が混ざっている場合、血尿か尿道から出血している可能性があります。
血が出ているということは体が傷ついているということです。
飲んだ水を吐いていませんか?
尿道が詰まると、通常なら尿道から排出されるはずの水分の行き場がなくなり、濃いおしっこが体全体を巡っていることになります。
水分はどんどん摂るのに排泄ができないので、とうとう上から吐いてしまうという事態が起こります。こうなるともうギリギリの状態です。
すぐに病院へ連れて行ってください。
壮絶な下部尿路疾患体験談
我が家には10歳を超えるオス猫がいますが、去勢手術を行って1〜2年後に重篤な下部尿路疾患を患いました。
下部尿路疾患を知らなかった私は、命の危険の寸前まで気づくことができず、苦しい思いを何日間もさせてしまいました…。
下部尿路疾患を患った当時の猫のスペック
- 去勢後1〜2年ほど経っていた
- 肥満体型(6〜7kg)
- 運動不足
- おっとりした性格
- 時期は冬
ある冬の頃、いつも寝ていることが多い猫がさらにベッドの上で寝ていることが多くなったようなきがしていました。
寒くなると寝る時間が増えるのかな〜
なんて思いながら特に気にしませんでしたが、すでにこの時点で異変は起こっていたのです。
それから月日が経つにつれ、今度はベッドよりもトイレにいる時間の方が長くなりました。それはもう爪の間に猫砂が溜まる程。だけどおしっこをしている様子もなく猫砂はさらさらのまま。
無知な私はこの時もまだ、
猫砂のうえで寝ちゃう猫もいるしな〜
と呑気に猫砂の上の猫を眺めているだけでした。今考えると恐ろしすぎます。
あまりにトイレから出てこないので何をしているのか観察していると、下部をしきりになめているのです。
猫を抱き抱えて見てみると、尿道の先が真っ赤に!そして少し触れただけで普段聞いたことのない声で鳴き始めました。
流石におかしい!と思いましたが、気づいたのが深夜3時ごろだったため、明日の朝一で病院へ行くことにしました。
この一晩のうちに一気に容体が悪化…!!
一晩寝て起きてびっくり。
床のあちらこちらで水たまりができていたのです。匂ってみてもおしっこのにおいはしないので「なんだろう」と思っていたその瞬間、すごい勢い口から水を吐き出したのです。
透明な水の正体はおしっこではなく、飲んでも吸収できなかった水だったのです。例えるなら水鉄砲のようにピューッと…
これはまずい!!と寝癖頭でパジャマのまま慌てて病院へ行きました。朝を待っている場合ではなかったのです…。
尿道が詰まったまま何日も経っていた
病院の先生曰く、
尿道に結石が詰まり、そのせいで排出できなかったおしっこが膀胱の中で濃くなり「尿毒症」になりかけていたのです。そしてその石が膀胱や尿道を傷つけ、その濃いおしっこが血尿と化していたようなのです。
尿道に細い管を刺し、注射器でたまったおしっこを吸い上げると真っ赤…。それが注射器に何本も採取できるほどでした。
専用の液で膀胱を洗い、水分の点滴をしてとにかく悪いおしっこを体外に出すため3日間もの入院をしました。
あと少し遅かったら危なかったよ
この医師の言葉に自分の愚かさを後悔したのは今でも忘れません。
その後医師の指導により下部尿路疾患予防の食事に切り替えましたが
その一年後、冬場にまた同じ症状が出てしまいました。ですが、二度目は早く気付くことができたので軽い症状で治めることができました。
それから7年ほど経ちますが体調は安定しています。
原因は何だったのか
- 去勢後で体のバランスが整っていなかったこと
- トイレの場所が寒かったこと
- 仕事が忙しく遊んであげられなかったことが運動不足やストレスに繋がってしまった
- 飼い主のイライラが猫に伝わり、ストレスを与えてしまっていた
痛い思いを長い間させてしまい、本当にかわいそうなことをしてしまったと大反省しました。
この時の私の仕事スタイルは最悪で、休みの日はカーテンを開けないで夜まで寝ているなんてザラで常にイライラしていたのもあり、猫にとっては最悪な飼い主だったと思います。
2度目以降仕事スタイルも変えて、生活習慣が整ったためか、はたまた猫のホルモンバランスが安定してきたのかは不明ですがおしっこトラブルは起きていません。
下部尿路疾患の予防策
とにかくたっぷり水を飲ませる
病院の先生曰く、
とにかくおしっこがよく出るように
とのことでした。
ということは、まず新鮮なお水をたっぷり飲めるようにしてあげることが大切です。
最初はボウルにお水をくんで置いているだけでしたが、水がたっぷり入るサイズの循環式の水飲みに変えてからはよく飲んでくれるようになりました。
2リットル入るサイズですが、1日で半量以上なくなるくらい飲んでくれています。
スケルトンで中が見えるのがとても便利。蛇口のような器具がついていて、上からチョロチョロ流れてくれるノズルもついていましたが、顔に水がかかるのが気になるようだったので外して使っています。
フードの見直し
「下部尿路疾患」と記してあるフードがいろいろな会社から出ているので、医師に相談して選ぶと良いです。下部尿路疾患予防用のフードには結石の原因となるミネラルが含まれていません。
病院では「ロイヤルカナン」が勧められますが、猫にあったフードを選んであげてください。
ただし、下部尿路疾患を起こしてしまった時に食べていたフードはメーカーごとアウトな場合があると病院の先生が仰っていました。
A社の通常フードを食べていたとして、同じA社の下部尿路疾患予防用のフードを選んでもそのA社のフード自体が体に合わないというケースです。
繰り返すようならメーカーを変えるのも対策のひとつです。
運動不足・ストレス解消
運動不足になるとストレスもたまりやすくまります。
猫は高い場所が好きなので、キャットタワーを置いてあげると飛び乗ったり飛び降りたりすることで室内でもしっかり運動することができます。
キャットタワーが用意できない時は、家具で高低差を出したり、段ボールを積み上げて固定して簡易猫ハウスを作ってあげるのも喜びます。
↓突っ張り棒型なら省スペースでかなり高い位置まで段差をつけることができます。我が家もこのタイプです。
ポインターなら飼い主が大きく動かなくてもしっかり体を動かすことができます。
スキンシップをとろう
猫は執拗に触られることを好まない生き物ですが、普段からスキンシップをとることで異変に気づく場合があります。
距離感を保ちつつ、大切な猫ちゃんを日頃から観察しておきましょう♪
お読みいただきありがとうございました。
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